AliExpressなどで販売されているUK-K5をHFフルバンド受信対応にするモジュールにLとCが付いているものがある。
例えば、これら。
探せば他にもあると思う。
これをどう使うのか(どこに付けるのか)の解説がYouTubeにある。
このビデオから当該LとCの部分を抜き出したものが下のキャプチャ。
これを最初に見たときは「そこに付ける(交換する)のね」ということはわかったものの、何をやっているのか目的がわからなかった。
しかし、今では「リバースエンジニアリング完全版」があるので、どこの部品かがわかる。場所から部品を特定し、回路図を追ってみると、この二つのようだ(赤矢印の部分)。
Lはアンテナに直結(他端はGND)の4.7μF、CはFM放送受信用アンプの入力カップリングの47pFのようだ。
で、このLとC、短波受信にはどんな影響があるか?とりあえず、単純にリアクタンスを計算してみる。安直に計算サイトを利用させてもらう。たまたま見つけたこの計算ツールだとLとCの両方を同時に計算できて便利。
まずは、本来の対象のFM放送の70MHzで計算。
Lは約2kΩ、Cは約50Ω(絶対値)。これならほとんどすべてがFM受信に回りそう。
では、例えば7MHz。
Lは約200Ω、Cは約500Ω。アンテナから入ってきたところでだいぶGNDに吸い込まれそう。アンプの前には抵抗という図。周波数が下がれば当然その傾向が強くなる。なるほど、中波の感度がものすごく低いわけだ。
ということで、その改造部品のLとC。Lはカラーコードからすると100μHのようだ。100μHなら、Lは3MHzで2kΩ弱、0.5MHzで約300Ω。これならGNDへ吸い込まれてしまうのはだいぶ軽減できそう。Cは値は判断できないが、仮に1nF(1000pF)だとすれば、3MHzでは約50Ω、0.5MHzでは約300Ω。短波・中波の感度改善が期待できそうである。
が、気になることも。アンテナ端子のところに取り付けるLのマイクロインダクタ、これって、送信周波数(144MHzや430MHz)でもLとして働くのだろうか?以前、手元のもので調べたところでは、100μHだと数MHzで自己共振を起こしているのが確認できた。
144MHzなどではLとしては機能しないんじゃないかと思うのだけど?まぁ、この改造を行うということは、送信は考えないということなのかもしれない。だったら、普通にラジオ(受信機)を買ったほうが…。
コメント