PR

UV-K5、カスタムファームウェア(広帯域受信機化)の書込みと送信周波数制限(送信禁止)の設定

UV-K5の面白さは、リバースエンジニアリングが進んでおり、機能・性能を向上させたファームウェアが色々と出回っていること。先日調べたところではegzumer氏がリリースしているものが最も元気がいいようだ(バージョンアップが頻繁)。ということで、これをインストール。驚くほど簡単だった(よくできている)。あっという間に広帯域受信に対応。

さらに、日本のアマチュアバンドに合せた周波数に送信制限も行う(送信機能を完全に殺すことも可能)。

UV-K5もUV-K5(8)もまったく同じ手順で書き込めた(装置外観の違いだけで、中身は同じ)。

以下、やったこと(手順)の整理。

準備(プログラミングケーブル)

UV-K5にはUSB Type-Cのコネクタがついているのでそれを使って接続するのかと思いきや、どうやらあれは充電専用端子。ファームウェアの書込みにはプログラミングケーブルを使う。

BaofengのUV-5R用のプログラミングケーブルがそのまま使えるので、これは手持ち品。買うならこういうもの。

ソフトウェア付きのもの・なしのものとあるけど、どのみち使わないのでいらない。ケーブルだけあれば良い。

接続

まず、UV-K5をプログラミングモードで立ち上げる。PTTスイッチを押しながら電源を投入。

液晶には何も表示されず、ライト(LED)が点灯する。

プログラミングケーブルを差し込み、PCに接続する。奥までしっかり押し込む。

(ライトではない)LEDが青(というか紫?)に点灯する。

ファームウェアの書込み

egzumer氏のファームウェアはgithubで公開されている。

上のリンク先を開き、右の方にある「Releases」の「Latest」をクリック。

その時点の最新版のダウンロードページが開く。

普通ならここからダウンロードして書き込む、という手順になるのだけど、これはとても良くできていて、Webブラウザから直接書込みまでできる。「FLASH WITH A BROWSER」の大きな青文字をクリック。

自動的にファームウェアがダウンロードされる。下の図のように「CRC check passed…」の表示が出たらダウンロードが完了。青帯の「Flash firmware」をクリック。

プログラミングケーブルがつながっているポートを選択して「接続」をクリック。

これで書き込みが行われる。

書込み中はUV-K5のライトが点滅する。

しばらく(数十秒かな)待つと、「Successfully flashed firmware.」と表示されて書込み終了。

書込みエラーになる原因で多いのは、ケーブル(のプラグ)がしっかりささっていないこと。グイッとしっかり押し込む。

UV-K5はリセットがかかって起動する。

「1o11+fagci」は、おそらく元にしたファームウェア。「1o11」はOneOfElevenのことだろう。「fagci」はそのままfagci版を表していると思われる。「c5e34c4」はなんだろう?egzumer氏の管理番号か、ファームウェアのチェックサムとかその手のものか?

v0.19以降はバージョン番号が表示されるようになった。

ファームウェアを書き換えたすぐに気づくのは、しゃべらなくなったことと、ボタンの反応が早くなったこと。

詳しい使い方はこちら。


【追記】「c5e34c4」はこれだな。これが何であるのかは知らないけれど。

送信周波数制限(送信禁止)

送信の制限には、二つの方法がある。

  1. 送信は日本のアマチュアバンドに限定する
  2. 送信機能を完全になくす

なお、購入時のファームウェアでも送信周波数の制限はできるが、送信機能をなくすことはできない。

設定

いずれの方法でも、まず、隠しメニューを有効にする必要がある。PTTとその下のSW1を押しながら電源を入れる(または、電源を入れてすぐにその二つのボタンを押し続けてもOK)。

日本のアマチュアバンドに限定する

立ち上がったら「M」ボタンを押してメニュー画面を開く。メニューの61番の「F Lock」を選択。上下ボタンで一つずつたどって行ってもいいし、「6」「1」の順にテンキーを押して直接61番に行ってもOK。なお、61番以降は隠しメニュー。普通に電源を入れただけでは60番までしかない。電源投入時に上の手順で隠しメニューが使えるようにしておくことを忘れずに。

「F Lock」メニューを選択したら「M」ボタンを押す。上下キーで「CE」を選択する。もう一度「M」を押して確定。これで日本のアマチュアバンド(144~146MHz、430~440MHz)に送信が制限される。例えば、143.990MHzでPTTボタンを押すと「TX DISABLE」と表示されて送信できない。

送信機能をなくす

まったく送信できないようにするなら、67番の「TxEnab」を「OFF」にする。これで受信専用機になる。

【注】

v0.17で隠しメニューの構成が変更されて「TxEnab」がなくなった。代りに「F Lock」の中に「DISABLE ALL」が追加されたとのこと(未確認)。

ハードウェア的ロック

このままでは隠しメニューを開けば送信可能周波数を変更できてしまうのでよろしくない。そこで、隠しメニューに入れないように、ハードウェアの改造を行う。やることはSW1の配線をカット。と言っても、パターンカットは不要で、ハンダを取るだけ。分解の際に参考にしたビデオのやり方にならう。

まずは、カバーを外す。手順はこちらの記事のとおり。

SW1のハンダを除去する(ビデオのとおり、ハンダ吸い取り線を使えば簡単)。

これで隠しメニューに入れなくなり、送信周波数の変更はできない。

ただし、隠しメニューに入れないので、送信周波数の変更だけでなく、すべての隠しメニューが使えなくなる。また、スペアナモードでSW1に割当てられている「当該周波数の除外」機能も使えなくなる。これは残念だけどしょうがない。

受信専用機にするならPTTのハンダを取ってしまうという方法もあるけど、そうするとプログラミングモードに入れなくなるので、ファームウェアの書換え(アップグレード)ができなくなってしまう。

USB充電

手元のUV-K5はUSBでの充電ができないモデルだった(出荷時の構成でUSB受電に対応しているものとしていないものとがある)。分解してUSB充電ができるUV-K5(8)と比べてみたけれどハードウェア的な違いは見当たらなかったので、ひょっとしたらソフトウェアで制限しているのではないかとも思っていた。

この推察は当たりだったようで、今回、ファームウェアを書き換えたらUSB-K5でもUSB充電ができるようになった。

USBケーブルを挿すとLEDが青く点灯するし、液晶パネルにも充電を表す電源プラグのようなアイコンが表示されるようになった(右上の電池アイコンの隣り)。実際、バッテリの残量も増えていく。

ということで、購入時にUSB充電の可否は気にしなくて良さそう。

なお、充電中は送信するなとマニュアルに記載されているので要注意。また、USBでの充電中はノイズがひどくてFM放送すら受信できない。結局、充電中は使い物にならないので、充電しながら使うようなことは考えずに電源を切っておくのが良さそう。

こういうシガープラグから電源を取るアダプタを使えば外部電源で運用できそうではある(未入手のため詳細不明)。


コメント

  1. Jashi より:

    日本のアマチュア無線の周波数帯に合わせるには「F Lock」での設定にする方法は思いつきませんでした。確かにそうですね。

    WEBでのファームウェア書き換えの方法は、つい先ほど最新バージョンでYoutubeに動画投稿したばかりです

  2. JH4VUC 杉野雅彦 より:

    今回は、貴局のホームページがUV-5R UV-K5のファームウェア書換えに関して非常に参考になりました。
    後は、ハード的な改造とスプリアス測定、JARD保証認定です。

    有難うございました、今後共に宜しくお願い致します。ひとまず、失礼致します。

    JH4VUC/KHØVUC

  3. 酒井健輔 より:

    お世話になります V0.22ですが USBからの充電ができません。
    青いランプも点きませんし液晶内に充電のインジケーターも現れません
    なぜでしょうか お和解になる方ご教示お願いします

    • JH4AWD より:

      バッテリーは放電した状態ですか?
      少なくとも70%以下でないと充電が始まらないようです。
      一度じっかり放電させてからUSBケーブルを挿してみてください。ブルーのLEDが点灯するはずです。

  4. jf2ghv より:

    追伸 私の機種は(8)です。

    • jh4vaj より:

      V0.22というのがなんだかわかりませんが、私の場合はファームウェアをegzmer版に入れ替えたらUSBで充電できるようになりました。
      もし、まだ標準のファームウェアのままであれば、入れ替えてみてはいかがでしょう?
      それ以外はわかりません。