これまでの経緯
先日、BNC L型コネクタの特性を測定した。
この記事を読んだ方から「X線撮影しましょうか」というオファーを頂き、お言葉に甘えて送って撮影してもらった。
この際、撮影者さんの手持ち品のコネクタも撮影してくれたのだけど、私のコネクタの返送の際に、それらの追加撮影したコネクタも送ってくれた。
ということで、今度はそのコネクタの特性を測ってみる。
測定対象品
まず、上の二つは前回測定したコネクタ。左が秋月で比較器最近購入したもの。右が何年も前に入手したもの(素性不明品)。
下の二つが今回の測定対象品。X線撮影で「不明2」と「NMC」と記してあったもの。
別の角度から。
左から順に。一番左の秋月購入品は底(?)が円が見える。不明1は良く似ているけど、丸は見えない。不明2はL字の部分が他よりも細い。NMC(ノーブル無線製)は形状も違うが、メーカ名と品名の刻印がある(NMC BNC-LA)。
SWR (S11)
測定方法は前回と同じ。NanoVNA-H4をキャリブレーションし、秋月コネクタが(ほぼ)同じ特性に見えることを確認。
続いて、今回の測定を実施。
まず、不明2のコネクタ。
秋月のものよりは悪いが、不明1よりは良い。
そして、NMC製。
秋月のものとほぼ同じ(不明品よりもリアクタンスの変化が小さい)。もっと良いだろうと思ったのだけど。
比較として、BNC-J – BNC-JとBNC-P – BNC-Pを通したものを測定。
これでもこんなものなのかという感想。コネクタを二つ通しているとは言え、どちらもストレートだから変なことにはなっていないと思うのだけど。もっとも、これらも素性不明品(安物)なので、あまり良いものでもないだろうけど。
なお、これらの中継コネクタを入れずに、SMA-BNCとBNC-SMAだけを入れた場合はこれ(前回の測定結果から引用)。
通過損失(S21)
これも測定方法は前回と同じ。
まず、不明2。
NMC。
どちらもほぼ同じで、前回の秋月や不明1よりは良い感じ。
まとめなど
前回は送信テストも行ったが、今回は省略(前回のものでも特に問題はなかったので、やっても多分あまり面白くない)。
一連の実験を通じて、秋月のものは値段の割にはいいんじゃないかと思う。ただ、X線写真を見ると内部の導体が細くて不安にはなるけど。いずれにしても、BNC L型コネクタはUHF帯では特性が多少悪化すると思っておいたほうが良さそう(BNC Lコネクタを入れずに、BNC-SMAの変換だけを二つ(1セット)入れたものは悪くなかったので、Lコネクタの影響であることは間違いない)。
ついでに、別のものを測定。
BNC-Nの変換コネクタを通したらどうなるか?
なんと、とんでもなくひどい。どちらが悪いのかわからないが、あるいは、両方ともよくないのかもしれないけど、まさかこんなだとは。これじゃMコネ並みじゃなかろうか?形状だけで信じちゃいけないな。
心配になったので、SMA-N変換コネクタ。
これはものすごく良かった。というか、期待通り。これも素性は不明の安物なんだけど。
結論。安いものでも良いものもあれば悪いものもある。測ってみなきゃわからない。
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