CG-3000を使っていて、困ったことが起きた。2mバンドのFMメインチャネル、すなわち、145.00MHzにノイズが入るのだ。
最初、メインで無変調出している人がいるのかと思ったけど、どうもそうではないような雰囲気。そのうち、CG-3000の動作と連動していることに気づく。
- CG-3000の電源を投入すると、一瞬、ノイズが入る。
- CG-3000のチューニング動作を行うとノイズが入る。
- チューニング後は、ノイズが消えることもあれば、入り続けることもある。
- ノイズが消えている状態でも、HFの送信(つまり、CG-3000を使った送信)をすると、メインchにノイズが入る。
- ノイズ量は、Sメータで3程度。
- CG-3000の電源を切れば、ノイズは消える。
念のため、ハンディ機を持ってCG-3000に近づいてみたら、やはりノイズが入る。CG-3000がノイズ源なことは間違いないようだ。Twitterでつぶやいたら、同じ現象が確認できたというリプライをもらった。
おお、ほんとだ。うちのCG3000も、2m FMメインでノイズだしてます。。
— 7K1BIB, AC1AM 山内貴博(JARL社員2期目) (@7K1BIB) August 5, 2017
この問題は、CG-3000からのアンテナエレメントと2mのアンテナが近いのが原因の一つだろうとは思う。が、設置環境の都合上、あまり距離は確保できない。また、試しとして実際に可能な範囲で離してみた(数m程度)けれど、状況は変らなかった。
他の周波数ならまだしも、よりによってメインチャネル。144.98でも145.02でもノイズは入らないのに…。
CG-3000の代理店であるエレクトロデザイン株式会社に問い合せてみたところ、内部の制御チップに銅箔テープを貼って最寄りのGNDに落としてみたらどうだろうというアドバイスを頂いた。
ということで、開封。
あれ?中にわずかではあるけど、水滴がついている。一度開けた際にパッキンに隙間ができてたか?台風や大雨があったからわずかな隙間でもしみ込んだのだろう。まずいなぁ。
それはそれとして、銅箔テープを貼る対象は、事前に教えていただいた情報によると、大きめの三つのチップ。
対象の一つがマイクロコントローラ(上の写真では下側の40 pin)。もう一つが汎用パラレルI/O(マイクロコントローラの上の40 pin)。そして右手のちょっと小さめのもの(SRAM)。
テープを貼ったの図。GNDは近くのパスコン足(チップなので足とは言わない?)を利用した。
早速、確認。
残念ながら効果なし。
試しにX’talのケースをGNDに落としてみたけど、これも効果なし。
困ったなぁ、と思いつつ、ハンディ機でノイズをモニタしつつ内部のICチップに指を触れるとノイズ量が変化することが確認できた。その変化が大きいのはやはりマイクロコントローラ。そしてもう一つあった。マイクロコントローラとSRAMとの間に見える20 pinのIC。74HC373だった。これに指を近づけたり触れたりするとずいぶんとノイズの状態が変化する。ということで、このICにも銅箔テープを貼ってGNDに落としてみることにしよう。
結果は大当たり!見事にノイズが止まった。
詳しく見てみたら、まったくなくなったわけではないけれど、非常に弱くなった。スケルチをギリギリに設定した状態ではチューニング動作時や送信時にノイズが入る(スケルチがオープンする)が、少しだけスケルチを深くしておけば開くことはない。Sメータは微妙に触れる程度。これなら実用範囲だろう。ハンディ機でも確認してみた。以前は2~3m位まで近づくとノイズが入っていたが、この対策後は数十cmまで近づかないとノイズは入らない(スケルチが開かない)。
もしかすると、銅箔テープ対策は74HC373だけでよかったのかもしれない。あるいは、それと、マイクロコントローラの二つ。さすがに外して確認することまではやりたくないので、もし、どなたか追試する方がいらっしゃれば、74HC373からやってみてください。
74HC373に貼った銅箔テープのGNDへの接続は、74HC373自身のGNDピン(10)を使った。あれ?改めて写真をよく見たら、74HC373の電源周りにパスコンが見当たらない。裏面に実装?基板を外してはいないので未確認。ひょっとしたら、74HC373にパスコンを付けたら良かったのかも。もし、追試する方がいらっしゃればこれもお願いします。
ということで、CG-3000による、2m FMメインへのノイズ問題がなんとか片付いた。
【追記】
エレクトロデザイン株式会社の方から、次の二点を教えていただいた。
- これまでの修理の経験上、内部に水が侵入していたことはない。
- C34が74HC373のパスコン。
ということで、手元のもので水滴が入っていたのは、私の締め方が悪かった(隙間ができていた)のだろう。また、確かに74HC373の近くにチップコンデンサがある。これは単に勘違い。
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