手のひらサイズで2chのオシロスコープ。Banggoodからレビュー用として送られてきたもの。オシロスコープとしては正直なところ使いにくいが、電流測定機能は便利。
仕様・外観
主な仕様は以下の通り。
サンプリングレート | 50M/ch |
アナログ帯域 | 10MHz/ch |
ストレージ深度 | 20Kb |
垂直 | 10mV~10V/div |
水平 | 100ns~10s/div |
カーソル | 垂直, 水平 |
電流測定 | 50mA~1A/div, 10ms~1s/div |
LCD | 3.2”, 320x240px |
バッテリ | 2500mAh |
仕様時間 | 4.5~6時間 |
サイズ | 120x66x18.5mm |
この仕様から、小型で安価なオシロにしては、チャネル数が2で、アナログ帯域が10MHzと広く、カーソルが使える点が良い。
内容物は、本体の他に(簡単な)マニュアルとUSBケーブル、それとプローブ(オプションの構成による)。
上部中央あたりの端子は基準信号ではない(電流測定用、後述)。つまり、基準信号が出ていないので、x10のプローブを使ったときに校正ができない。実質、x1専用ということになる。
裏にネジなどはない。
操作はボタン。こういう小型のものではよくある方式。ただ、Leftが右向き矢印、Rightが左向き矢印で、混乱する。実際の動きはLeftが左、Rightが右。矢印は見てはいけない。
測定
では、実際に測定してみる。信号源はいつものファンクションジェネレータUTG962E。
Auto動作
基本的にはAutoボタンで測定できるのだけど、当初、まったく同期が取れず、かなり悩んだ。Autoボタンを押すとその動作に入るのだけれど、信号をとらえれず、ATUOの表示がいつまでも消えない(リレーが何度かカチカチ言ってすぐに静かになる)。
結局わかったのは、2chモードではこのようになってしまうということ。1chモードならちゃんとトリガがかかる。バグじゃないかな?
1chモードではこのメニューでchを指定する他、Flexoボタンでchが切り替わる(1か2。1+2にするにはメニューからだけ)。同期が取れたあとは1+2で両方の信号を見ることは可能。
なお、Auto動作は割と遅い(8秒くらいかかる)。また、波形表示が少しふらつく(安価なオシロではありがち)。
DSO-TC3などではトリガ位置が画面の左端に固定だけれど、このモデルはちゃんと移動できる。安価な機種にしてはこの点は良い。
正弦波
1Vppをファンクションジェネレータから入力。Auto動作で測定。
100Hz
100kHz
1MHz
2MHz
5MHz
Autoでは同期が取れない。手動設定で測定。
手動にすると測定値の表示が減り、電圧が表示されない。そこで、カーソルを表示させ、その値を読む。
Vppで約840mV。
10MHz
Vppで約570mV。仕様ではアナログ帯域は10MHzとなっているが、実際にはそこまではないようだ。7MHzくらいかな?波形表示も汚くなってしまう。
2ch表示
10kHzの正弦波と20kHzの矩形波。
上に書いたように2chモードでAutoは使えないので、1ch表示で同期を取ってから2ch表示に切替えた。ちょっと手間。
X-Y
電流測定
オシロスコープとは別に、電流を測定する機能がある。上のINとOUT端子につなぐ(電流計のように)。
波形は左から右に向かって流れる。右端あたりの小さな山が電源投入時の突入電流。50mA/divなので、ピークで30mA程度か?その後は、この装置(ASCW01)の起動時メッセージが鳴ったとき(フルボリューム)の電流波形。「MAX:0.272A」と表示されている。消費電流を測ってみたいと思っていたので、これは便利。
波形観測を止めたあと、一番上のバーを選択して+/-のボタンで時間をさかのぼったりして過去の波形を見ることもできる。
まとめ・購入情報
- アナログ帯域の実力は7MHz程度。
- 2chモードではAutoが使い物にならない(おそらくバグ)。
- 基準信号が出ていないので、x10のプローブの校正はできない。
- 操作性はよくない(安価な機種は皆同じだから、取り立ててこれの欠点というわけではないが)。
- 値段の割には、2chで、数MHzの帯域があり、カーソルも使えて、時間軸でトリガを移動できるなど、機能は豊富。
- 電流測定機能は、この機種の大きな特徴。
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