BanggoodからポケットサイズのオシロスコープDSO152をレビュー用に送ってもらった。最初に書いておくけど、これはいい。こういう小型の簡易的なオシロで、これまで見てきたものの中ではベスト。
外観
送ってもらったのは、オプションのプローブ付きのモデル。
内容物は、本体の他に、簡易プローブ、USBケーブル、ストラップ、マニュアル、合格証。
本体の上部に端子類とレバースイッチ。
仕様
似たようなものとして、パーツテスタと一体型のDSO-TC2やDSO-TC3がある。
これらのオシロスコープ機能との比較の形で仕様を挙げておく。
DSO152(本機) | DSO-TC2 | DSO-TC3 | |
---|---|---|---|
サンプリングレート | 2.5MS/s | 2.5MS/s | 10MS/s |
アナログ帯域 | 200kHz | 200kHz | 500kHz |
入力インピーダンス | ? | 1MΩ | 1MΩ |
垂直軸 | 10mV/div ~ 20V/div | 10mV/div ~ 10V/div | 10mV/div ~ 10V/div |
水平軸 | 10μs/div ~ 50s/div | 10μs/div ~ 500s/div | 1μs/div ~ 10s/div |
ディスプレイ | 2.8インチ 320x240px | 2.4インチTFTカラー | 2.4インチTFTカラー |
電池 | 1000mAh リチウムイオン | 1500mAh リチウムイオン | リチウムイオン |
充電 | USB Type-C,+5V | USB Type-C,+5V | USB Type-C,+5V |
サイズ | 99x68x20mm | 79x103x31mm | 79x103x31mm |
重量 | 100g | ? | ? |
大雑把にいうと、性能面ではDSO-TC2と同じ。アナログ帯域はDSO-TC3が一番広くて500kHz。DSO152とDSO-TC2は200kHz。水平軸の分解能もそれに応じてDSO-TC3が細かく設定できる。
サイズはDSO152が最も小さい。しかし、ディスプレイは最も大きい。2.4インチと2.8インチの違いなので差はわずかだけど、画面の見易さにはかなりの違いがある。
液晶はサイズの違いだけでなく、表示自体もDSO152の方がくっきりしており、文字も波形も見やすい。ただ、惜しむらくは、フォント自体はDSO-TC3のものの方が見やすい(DSO152はDSO-TC2と同じフォントか?)。
それと、DSO152はストラップが付けられるのも良いと思う。
操作
電源スイッチは、左下の黄色のボタン。長押しで電源投入。電源を切るのもこのボタンだけど、短押し。長押しだと電源は切れない(しばらく分からずに悩んだ)。
基本的にはAUTOボタン一発(右上。保護シールのタブで文字が一部隠れている)。表示までの時間はちょっと遅い(DSO-TC3と比べて)。
本体上部(というか側面)のレバースイッチを左右に倒すことで、画面内のメニューを選択(上の図の0Vレベルの位置、200mV、X1、5mSなど)し、正面の上下のボタンで値を変更する。上下左右のボタンが正面に並べられなかったのだろう。
MODEはトリガモード(Auto、Normal、Single)の切替え。長押しでトリガエッジ(上下)の切替え。
RUNは、その名のとおり、RUN/STOP。また、RUNの長押しで測定値表示の有無の切替え。
それから、レバースイッチの長押しでキャリブレーション。マニュアルに詳しい話が書かれていないのでよくわからないが、何もつながずに実行すればいいみたい(基準信号につないだ状態でキャリブレーションを行ったら0Vのレベルがズレた。外して再度キャリブレーションで戻った)。
DSO-TC3では0Vレベルとトリガレベルの移動が独立しており、0Vレベルを移動するとトリガレベルが付いてこないのでトリガが外れてしまっていた。しかし、このDSO152では0Vレベルの移動にトリガレベルが連動しているので、0Vレベルを移動してもトリガが外れてしまうことない。改善されている。なお、DSO-TC2では0Vレベルを移動すると二度とトリガがかからなくなるの(多分、バグ)。
トリガの位置は画面の左端で固定。移動することはできない(DSO-TC3などと同じ)。これはちょっと残念。また、バッテリインジケータがないのも残念(DSO-TC2にはなく、DSO-TC3にはある。しかし、このDSO152にはない)。
測定
ファンクションジェネレータから信号を入れて表示させてみる。信号レベルは1Vpp。
正弦波
- 100Hz、1kHz
- 10kHz、50kHz
- 100kHz、200kHz
200kHzで0.77Vpp。200kHzという仕様は満足している。しかしながら水平軸が10μs/divまでしか細かくできないので、波形の見るのは厳しい。
矩形波
10kHzだけ見てみる。
立ち上がり/立下りはやや鈍るけれど、アナログ帯域が200kHzなのでこんなものかな。
まとめなど
DSO-TC2/TC3のオシロスコープ部だけを取り出したものだろうと思っていたのだけど、結構違う。もちろん基本的なところは同じなのだけど、操作方法がちょっと違ったり(モードがボタンとして独立とか)、不便に思っていたところが改善していたり。
また、上にも書いたように、液晶サイズがわずかながら大きくなっていることと、液晶パネル自体が良いようで、視認性はDSO-TC3よりもかなり良い。本体は小さく薄いし、ストラップも付けられるし、その上安い。DSO-TC3の方がアナログ帯域が広いとはいえ、高々500kHz。どのみちオーディオ帯域用と考えれば200kHzでも大差ない。0Vの基準位置を動かしたらちゃんとトリガレベルも一緒に動いてくれるでDSO-TC3よりもその点も良い(結構重要ポイント)。
DSO-TC2とDSO-TC3で比べれば絶対にDSO-TC3だけど、オシロだけで見ればこのDSO152が一番いい。これのレビューを打診されたときには、実はちょっと乗り気ではなかったのだけど、実際に使ってみて印象が変った。
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