PR

AT-100MとATU-10(アンテナチューナ)を試してみた

Banggoodからレビュー用にアンテナチューナが二つ届いた。AT-100MとATU-10。どちらも小型。

それぞれの最大の特徴は、AT-100Mは0.1Wから使えること、ATU-10はラッチリレー採用であること(使用中に電力を使わない)。

ちなみに、以前、同種のATU-100をレビューした。

以下、それぞれの機種を見ていく。

AT-100M

主な仕様

  • 周波数範囲: 1.8~30MHz
  • 対応電力
    • 1.8~18MHz: 0.1~100W
    • 18~30MHz: 0.1~50W
    • SSB/CW: 0.1~100W
    • AM/FM/FT8: 0.1~50W
      ※つまり、100Wで使えるのは18MHz以下でSSB/CWの場合。それ以外は50W。
  • コネクタ: UHF
  • 寸法: 123×75×29mm(実測、コネクタ等突起物含まず)
  • 重量: 362g(実測、本体のみ(バッテリ含む))
  • バッテリ容量: 3300mAh
  • バッテリ動作時間目安: 10~25時間

モデル名はATU-100に似ている(似せている?)が、まったくの別物。公式サイトはこちら。

外観と内部

内容物はAT-100M本体の他に、USBケーブル、ゴム足、六角レンチ、取説(A4両面一枚)。充電端子は後ろ。充電状態を表すLEDもある。

フロントパネルを外し、ケーブコネクタを抜けば基板が抜ける(スライド)かと思ったが、途中で引っかかる。よく見るとバッテリが天井に張り付いていて、そのコネクタも抜かなきゃいけないようだ。

バッテリ交換はどうするんだろう?かなり強力に張り付いているのでバッテリを傷つけずにはがすのは大変そう(Li-Poなので傷つけると危ない)。

なお、これらのコネクタは奥に引っ込んだところにあるので抜くのは結構大変。再組立てはそれに輪をかけてものすごく大変。ピンセットを使って何度も格闘してようやく元に戻せた。

基板の裏は写真を撮りそこねた。

前後のパネルはプリント基板。

表示パネル(OLED)の基板はハンダ付けで固定されている。なるほど、そういう手があるか。

ATU-100とのサイズ比較。

ATU-100とくらべて一回り小さい。重量は同じくらい。なので、見た目より重く感じる(ずっしり感がある)。

動作

実際に動作させた様子のビデオ。アンテナは7MHzのMicroVert(だけど、エレメントをおろした状態なのでまともには動作していない)。

基本的な操作は、電源を入れて送信するだけ。自動でチューニングする。

内容は以下の順。

  1. 電源投入
  2. 3.5MHzチューニング(送信電力は2~3W程度、以下同様)
  3. 表示モード切替
  4. 3.5MHz送信確認(チューニング済みなので再チューニングはおこなわれない)
  5. 7MHzチューニング
  6. 14MHzチューニング
  7. 21MHzチューニング
  8. 28MHzチューニング
  9. 50MHzチューニング(失敗)
  10. 送信電力低減テスト(0.1~0.2W程度に絞る)
  11. 別のバンドで0.1W程度での動作を確認

この環境では各バンドともチューニングできた。たまたま、どのバンドもあっという間にチューニングできたが、数秒間頑張ることもある。

50MHzでもチューニング動作は行った(チューニングできなかった。仮にできたとしても通過損は大きのではないだろうか?)。

また、仕様通り、0.1Wでもチューニングできた。素晴らしい。

動作時にブザーが鳴って結構やかましいが、これは設定でオフにできる。

ATU-10

主な仕様

  • 周波数範囲: 1.8~30MHz
  • 対応電力: 1~10W
  • コネクタ: BNC
  • 寸法: 103×70×25mm(実測、コネクタ等突起物含まず)
  • 重量: 236g(実測、本体のみ(バッテリ含む))
  • バッテリ容量: 750mAh(14500×2本)

これは、オープンソースのATU-100をQRP向けにリファインしたもの。チューニング最小電力を1Wに引き下げ(ATU-100は5W)、リレーにはラッチ式を採用している。上限は10W。

公式情報はGitHub。

ディスカッショングループはATU-100と共通。

外観と内部

内容物はATU-10本体の他に、USBケーブル、六角レンチだけ。マニュアルはない。

裏面にはGND端子もある。また、外部制御用の端子もある(詳細は未調査)。

内部でケーブル接続されているものはないので簡単にばらせる。ケース自体も二つに分かれるタイプだし。電池は規格サイズもの(14500)だけど、タブ付きでハンダ付けされているので交換はちょっと面倒。

こちらのOLEDパネルの固定方法はL型のピンヘッダを使っている。これもアイデアだ。4ピンのものはないのだろうか。3ピンのものを使って、残りの一本はワイヤ接続(撚り線が一本はみ出ている…)。

こちらも前後パネルはプリント基板だけど、詰めが甘く、サイズやRがケースと合っていない。まぁ、気にしちゃいけない範囲か。

AT-100M、ATU-100とサイズ比較。サイズも小さいし、重量も100gくらい軽い。

動作

実際に動作させた様子のビデオ。先ほどと同じアンテナは7MHzのMicroVert(だけど、エレメントをおろした状態なのでまともには動作していない)。

こちらも、基本的な操作は電源を入れて送信するだけ。自動でチューニングする。

内容は以下の順。

  1. 電源投入(TUNEボタン長押し(5秒))
  2. 3.5MHzチューニング(送信電力は2~3W程度、以下同様)
  3. 7MHzチューニング
  4. 14MHzチューニング
  5. 21MHzチューニング
  6. 28MHzチューニング
  7. 50MHzチューニング

50MHzも含めて、各バンドともチューニングできた。1Wを下回るとチューニング動作に入らない(仕様通り)。

SWRはAT-100Mの方が小さい値になっているが、どちらも2がチューニング目標値。

リレーが小さいので動作音も比較的静か。ブザーはない。

運用中にはリレーは電力を消費しない。5分放置するとマイコンはスタンバイ状態に入る(TUNEボタンで起動)。30分で電源オフ(手動でオフにするにはTUNEボタンを長押し)。それでもチューニング状態を保っているので運用できる(バンドを変えたりなど、再チューニングの必要があるときに電源を再投入すればよい)。

まとめ(クーポン)

どちらも手軽に使えるQRP向けアンテナチューナという点では共通している。操作も基本オートなので簡単。

0.1Wでもチューニングできるという点ではAT-100Mが有利。50W(バンド、モードによっては100W)まで使えるし。バッテリ交換(取外し)が少々気がかりではある。

一方、徒歩移動などではATU-10の小型軽量なことが圧倒的に良いと思う。チューニング動作には最低で1Wが必要だけど、QRP機でも大抵は1Wは出せるだろう。ただし、上限が10Wであることには注意。

結局は用途次第。いずれにしても、今から買うのであれば、ATU-100ではなく、AT-100MかAT-10が良いと思う。

それぞれ、クーポンを用意してくれた。


なお、アンテナチューナは無線機から見た場合の辻褄を合わせるだけのもの。アンテナ自体をチューニングしてくれるわけではない。一応、念のため。

アンテナ直下(給電点)に挿入する屋外用のATU-100(AT50)に関してはこちら。

コメント

  1. You Nakamura より:

    お世話になります。

    移動運用に手頃だと思い、AT-100Mを購入しました。
    ATUが届いてから、グランド端子がないのに気が付つきました。、
    このような時、グランドアースやカウンタポイズはどこに接続すればいいか教えてください。

    よろしくお願いします。

    • jh4vaj より:

      手っ取り早くなら、コネクタの止めねじにラグ板とかを付けてそれに繋げばいいかと。

  2. You Nakamura より:

    ありがとうございます。

    アンテナ側ですよね。
    付属のドライバは、シャーシ用みたいで、合うやつを探してみます。

    • jh4vaj より:

      どちらでもいいと思います。どのみち、中でつながっていますから。距離も近いですし。まぁ、強いて言えばアンテナ側のほうが意味的にわかりやすいと思います。