WSJT-X 1.8.0 rc1に設定されている周波数を見ると、FT8はJT65の2kHz下に設定されている。なので、FT8はその2kHz内で運用するのが基本なんだろうと思うけど、JT65をモニタしてると被ってくる。そこで、無線機の周波数をずらしてみたら変なことが…。
14.0760MHzから100Hzずつ三段階下げて14.0757MHzにしてみたのが上の図。下にさげたのだから、受信信号は上にズレるはず。650Hz辺りにあったJT65の信号はちゃんと950Hz辺りにズレている。ところが、FT8と思しき信号は下にズレてしまっている。どうしてだろ?本当はここにある信号ではなく、イメージ混信で見えているもの?そうであれば、TS-690の性能が…、ってことかしらん?
どっちにしても、この被りのせいでJT65がデコードできなくなることがあるのには参った。
その後、Twitterでjh8jnfさんから14.0754MHzのFT8の信号が14.0760MHz(QRG)で折返して14.0766MHzに見えているのだろうということ(600Hz下の信号が600Hz上に見える)。式で書くとこうなる。
$$(14.0760 – 14.0754) + 14.0760 = 14.0766$$
したがって、300Hz下げると、次のようになる。
$$(14.0757 – 14.0754) + 14.0757 = 14.0760$$
これが、上のキャプチャで起きていること。
さらに、この仮説の裏付けとも言えるサンプルを取得できた。
14.0760MHzでJT65を受信中に1500Hzあたりに強力なFT8と思しき信号が見える。そこで、モードをFT8に変更(FT8のQRGはJT65のそれの2kHz下に設定されている)。上の仮説通り、14.0740MHzに対して500Hz、すなわち、14.0760MHzに対して1500Hz下の14.0745MHzに強力な信号が見える。やはり、どうやら、強力な信号があると、その影像信号が見えてしまうようだ。ちなみに、+3dBの3エリアの局だった。
これでJT65の信号がデコードしにくくなってしまうのは困ったと思ったけど、QRGを下げれば目的のJT65の信号は上にズレ、影像のFT8の信号は下にズレてくれるため重なりは解消できる。これでしのぐしかないかな。
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