CG-3000は屋外に設置するが、手元で電源を入り切りできるようにしておかないと不便。理由は、SWRが中途半端なところでチューニングと判断されることがあるため。そこから抜けるには、電源を一旦切らなければいけない。言い換えれば、電源を切れば、全部忘れてくれる。と、この辺は、前の記事に書いた通り。
では、実際どうやるか?
一番簡単なのは、電源ケーブルを無線機側まで引っ張ってきて、スイッチを付けること。単純に電源の入り切りだけ。
しかし、調べてみると、CG-3000にはチューニング完了フラグがあるようで、電源コネクタにそれが出ているらしい。オープンコレクタで、アクティブlowなようなので、LEDを付ければチューニング完了時に点灯させることができる。そういう製作例がチラホラ見つかる。
週末の作業(CG-3000リセットスイッチ)
http://jg1bvx.com/archives/17919
チューニング完了端子の仕様がわからないので、安全のためトランジスタをかました例もある(そういう自照スイッチを使っている)。
CG-3000の操作ボタン
https://blogs.yahoo.co.jp/jh1lmd/30457328.html
ちなみに、CG-3000のサービスマニュアルを見ると、回路図も載っている。
CG-3000 service manual
http://www.radiomanual.info/schemi/ACC_matching/CG_Antenna_C…
しかし、回路図は解像度が低すぎて、追っかける気にならない…。
LEDの線も引っ張ってこようと思うと、三線のケーブルを使わなきゃいけない。RFの回込み対策に三芯シールドを使ったりしようと思うと、結構高い。
でも、考えてみれば、無線機とアンテナの間にSWR計を常設しているので、これを見ていればチューニングできたかはわかる。LEDはなくても問題ないだろう。それなら、二芯のケーブルで済む。ちなみに、CG-3000に付属していたケーブル(5m)は、二芯のシールドなし。
LEDを諦めるのなら、いっそのこと、Bias Tee(バイアスティ、何だか紅茶みたいなのでここでは英語で書くことにする)にしてしまうのも手か?同軸ケーブルに直流を重畳しようという手法。MFJ-926BやLDGのRT-600なんかは、Bias Teeを使う方式。
RT-600のマニュアルを見ると、Bias Teeのサンプル回路まで掲載されている。
RT-600 Manual
http://www.ldgelectronics.com/assets/manuals/RT600Manual.pdf
これによれば、Cは0.01μF 1kVの3パラ、Lは47~100μH。
また、こちらの記事には、Bias Tee MFJ-4117の内部写真が掲載されている。
MFJ-998RT(ATU)の導入(Jan 20. 2013)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~jh2clv/mfj998rt.htm
さらには、屋内用のAT-600Proの基板を取り出して屋外用として使おうという例も。これにBias Teeが使われている。
LDG AT-600Proの同軸給電改造
http://psk31.cocolog-nifty.com/digitalmode/2013/01/ldg-at-60…
これなら、ちょっとした小箱を作れば、電源ケーブルの引回しはしないで済む。回路も簡単なので、CG-3000に内蔵できるだろう。実際、そうやってつかっている方もいらっしゃるようだ。
CG3000にバイアスティーをつけてみました。
http://jf1vru.blog65.fc2.com/blog-entry-392.html
CG3000普通に稼働中
http://jf1vru.blog65.fc2.com/blog-entry-395.html
ただ、これだと、少しとは言え、ロスがあるだろうなぁ。多分、まったく気にする必要はないレベルだろうけど。CG-3000側に改造が必要なのも、購入したばかりなので二の足を踏む要因。CG-3000側もBias Teeを外付けすれば改造しないで済むけど、それもなんか違うような…。コネクタが増えるのでロスも増えるし。
そう言えば、昔、144MHzのアンテナ直下ブースタを作ったときには、同軸に電源を重畳させたなぁ。Bias Teeなんて知らなかったけど、できるに違いないと適当なコイルとコンデンサを突っ込んで作り、上手く動いてくれていた。
話を戻して、色々考えたけど、やっぱり、素直に二線ケーブルを引っ張るのがいいかなぁ?
CG-3000の改造と言えば、電源ラインのコモンモードチョークを内蔵させている方もいらっしゃる。
CG-3000に電源ライン用コモンモードフィルターを収納
http://mmf8877.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/cg-3000-0087.h…
ところで、こんな記事があった。
TS-590とAH-4間のインターフェイス製作(1)
http://k2top.jpn.org/diary/?date=20150304
TS-590とAH-4間のインターフェイス製作(4)
http://k2top.jpn.org/diary/?date=20150321
TS-590とAH-4間のインターフェイス製作(5)完了とまとめ
http://k2top.jpn.org/diary/?date=20150322
アイコムのAH-4をTS-590の外付けチューナとして動かしてやろうという話。どうやら、TS-590は外付けチューナがつながっていることを認識すると、内蔵チューナを止めて外付けチューナを使うモードになるらしい。恐らく、TS-690も同じ(どちらも外部チューナにはケンウッド純正のAT-300が想定されているので)。外部チューナと認識させることができるのなら、無線機のAT TUNEボタンでチューニングを起動できるので便利そう。CG-3000のLEDラインを使ってちょっとした回路を組めばチューニング完了信号も作れそうなので、そうすれば純正品のごとく振る舞わせることもできそうに思う。
しかし、致命的とも言える欠点が。一旦、外部チューナを認識してしまうと内蔵の方に戻せないみたい。アンテナがそれだけなら問題ないけど、複数のアンテナを切り替えて使おうと思うと、内蔵チューナも使えるようにしておきたい。まぁ、一旦電源を切ればいいのだろうけど、アンテナを切り替える度に無線機の電源を入れ直すのも何だかなぁ…。
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