Banggoodからレビューのオファーいただき、面白そうなので送ってもらった。
届いてびっくり。でかい…。段ボール箱のサイズは530x560x160mmくらい。ある程度は覚悟していたけれど、これほどとは。ちなみに、組み上げたあとのサイズもこれくらい(高さはもっと高くなる)。
もちろん、大きい方が加工対象のサイズも大きなものが扱える。このモデルの作業領域は400x410mm。また、レーザの出力が10Wと比較的大きいのも特徴。木材(バスウッド)で10mm、アクリルで5mmが1パスでカットできるらしい。
組み立てる
かなりしっかりしたクッションに包まれている。クッションで蓋がされていたり、二段になっていたりするので、見落とさないように。
今回送ってもらったものは、在庫の都合により、EUプラグ仕様。でも、ACアダプタの入力が一般的な3ピンタイプだったので、手持ちのACケーブルが使えた(ACアダプタ自体は100-240V入力仕様、出力は12V・5A)。
組立て方はマニュアルや専用のペラ紙も入っていたけど、それよりも公式のYouTubeのほうがわかりやすい。
組立て手順ごとにビスなどが袋に分けられていてわかりやすい。
実際に組み立ててみて、ちょっと引っかかった点や、気をつけたほうがいいと思うポイントをまとめておく。
- フレームの後ろの横バーの向きに注意。手前のバーはロゴが入っているので間違えないけれど、後ろのものには何も書かれていない。後ろのバーにも足を止めるビス穴があるので、それが外に向くように取り付ける。最初、それに気づかずに組んでしまい、足のビス穴がなくて悩んだ(ビスナが内側に向いてしまって足を取り付けられない状態)。
- レーザユニットを取り付ける可動バー(?)は後ろから入れる。手前からだとスイッチに当たってしまう。これは上の組立て動画のとおり(説明書ではわからない)。
- ローラの動き加減は、本体を45度に傾けてスーッと下りてくる程度。動かないのは締まり過ぎだし、あまり傾けないで下りてくるようでは緩すぎ。
- ベルトの固定は、ナット部を外して溝に入れ、指(または細いもの)で90度回してからネジ止めする。下の写真を参照。事前に回して溝にはめ込んでからネジを締めないと、ベルトが固定されずにナットがそのまま上がってきてしまう。
特に気になったのはこれくらい。あとは、上に貼り付けた公式の組立て動画のとおり。付け加えるなら、コネクタを挿し込んだあと、ケーブルを結束バンドで適当に固定すること。
動画の最後でTFカード(microSDカード)を挿し込んでいたけど、挿さなくても動く(動いた)。
使ってみる
実際に彫刻して見るにはソフトウェアが必要。この装置の専用品というわけではなくて、汎用ソフト。Windowsで使うには、LaserGRBLかLightBurnの二種類があるようだ。
LaserGRBLはGitHubで公開されている無料のオープンソース。一方、LightBurnは有料ソフト(30日の試用期間あり)。まずは、無料のLaserGRBLを試してみることにする。
とは言え、LaserGRBLはおろか、そもそもレーザ彫刻機自体が初めて触るもの。勝手がまったくわからない。検索して調べたり、実際に動かしてみて、あーだこーだとやってみる。わかってしまえば簡単なことだったりするのだけど。
画像設定(読込み)
まずは、LaserGRBLを立ち上げる(インストールの話は省略)。
画像ファイルをファイルを読み込ませのだけど、メニューからも行けるが、直接ドラッグ&ドロップでも大丈夫。
いくつかのパラメータを設定する。適当にいじれば画像が変化するので何となく分かる。が、わからないのがQuality。いくつにすればいいのか?それについては、マニュアル(紙の冊子)にあった。8がおすすめらしい。あとは実際にやってみてその結果を見て考える(調整する)。
「Next」で先へ。
Speedは、これもマニュアルにあった値の3000mm/minをとりあえず入れておく。
Sizeは彫刻画像の大きさ。Autosizeにチェックを入れるとDPI値でサイズを決めてくれる。または、(Autoseizeにチェックせずに)WとHを直接値を入れる(単位はmmみたい)。
「Create!」を押せばその画像が彫刻データとしてセットされる。
彫刻・カット(木材)
PCと彫刻機をUSBケーブルでつなぎ、電源を入れる。LaserGRBLの左上のBaudの右隣の稲妻アイコン(?)を押せば接続される。
電源を入れるとレーザモジュールのファンが回り、結構やかましい。ソフトウェアの操作方法は適当にいじっているとだんだんわかってくる。
レーザの焦点調整は、付属の調整版(実測で3mmのおそらくアクリル板)を対象物との間に挟んで決めるだけ。固定焦点方式なので、対象物が平面であることを前提にものすごく簡単な方法に落とし込んでいる。
素材の位置決めをして、Progressの行の右にある緑三角を押せば実際に作業が行われる。下のビデオがその様子。最初がこのイラストの彫刻、次に文字の切り出しを行った。彫刻とカットの違いは、レーザの移動速度。速ければ焼ける(彫刻)、遅ければ焼き切れる(カット)。素材は100円ショップで購入した桐材(9mm厚)。
なお、ハニカムの作業台は付属品ではない。別途、調達したもの。当初、この作業台なしで試したところ、彫刻では問題ないのだけど、カットは無理だった。適当な端材で対象物を浮かし、下にはアルミ板を敷けばカット自体はできる。しかし、レーザの反射がすごくてそちらを見ることができない。ハニカム作業台なら反射光は外には出てこないので大丈夫。
また、作業時には煙がすごい。そのため、作業は屋外で行った。最初は室内で試したら、かなりすごいことになってしまった(煙報知機が反応しないかとヒヤヒヤ)。考えてみればレーザで焼き切るわけだから、煙が出るのは当然。屋内で作業するなら、彫刻機全体を覆うカバー(排煙装置付き)が必須。
音は、ほぼ、ファンの回転音・風切り音だけ。移動のモータ音もあるのだろうけど、ファンがやかましいのでそちらは気にならない。カット自体はレーザなので音はしない。
何しろ初めてなのでよくわからないことだらけ。彫刻はもうちょっときれいに出せそうな気もする。そのためには何度かパラメータを変えてやってみる必要がありそう。カットは9mmでも1パスで切れたけど、かなり炭化しているように思う。もうちょっとパワーを弱めるか速度を速めても良かったのかも。これも練習が必要そう。
アクリルカット
続いて、透明アクリル板のカットにトライ。
基本的なやり方は上の木材の場合と同じ。今度はサイズをはっきり決めたかったのでベクタ画像を用意した。これだと上のようなビットマップ画像とは違って、画像を読み込ませたらそのままでサイズの変更はできない(例えば10mmで作ったものは10mmで設定される)。今回は、お手軽に使い慣れたKiCadのPCBエディタで図面を書いた(SVGで吐出し)。
上手く行ったかと思いきや全然切れていない。指で触ると表と裏は切れている感じ。しかし、中が全然切れていない。どうやら表と裏は保護紙が貼ってあるのでその付近は切れたみたい。しかし、アクリル板自体は透明なのでレーザ光がそのまま素通りしてしまうのか?
そういえば、サンプルとして黒のアクリル板小片が同梱されていたので、これを切ってみる(ビデオ後半)。これは一応切れた。やはり、透明なものはダメで、色付きのものならカットできるようだ。
それはともかく、臭いがすごい(ひどい悪臭)。屋内では絶対に無理。屋外でもあまりやりたくない。
まとめ
組立ては割と簡単。しかし、この手の装置を使うのが初めてだったので、ソフトウェアをどう使えばいいのかに結構悩んだ。わかってしまえばそんなに難しくはないけれど。しかし、使いこなすのには結構慣れることが必要そう。鮮明な彫刻のためには設定をどうすればいいかは研究課題。
木材の彫刻・カットでは煙が結構出る。屋内での使用は勧めない。
アクリルのカットには実は期待していたのだけど、透明なものはできないし、それ以上に臭いが非常にきついのが大問題。全体を囲って脱臭するような装置が必要そう(大掛かりになる)。
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