概要
「最近のLEDは明るすぎる!」
これが開発のきっかけです。
近年の技術革新により、LEDがとても明るくなりました。照明としても実用化されていることはわざわざ言うまでもないですよね。
一方、LEDをパイロットランプとして使うとその明るさが問題。昔の感覚で電流制限抵抗に数kΩを入れたのでは明るすぎて眩しいんです。もっと抵抗を大きくして適切な明るさにしないとダメです。
市販のLEDテスタの類もあります。電流値を変えられるようになっているので、明るさを確認できます。しかし、電流値の切換えが数種類で、かつ、最低でも数mAです。最近の超高輝度タイプのLEDだと1mAも流すと眩しすぎます。これでは適切な明るさの電流値がわかりません。また、実用的な意味では、知りたいのは電流値ではなくて抵抗値。電流値が分かっても「じゃ、抵抗は何Ω?」と計算しなければなりません。あれは、やはりLEDが故障していないかを確認する「LEDテスタ」です。好みの明るさを調べるための道具ではありません。
そこで、抵抗値がスバリわかる「LBCK02 – LED明るさチェッカ」を以前作り、頒布もしました。
私と同じようにお困りの方もやはりいらっしゃり、そうした方々からはこのLBCK02はとても良い評価をいただきました。とはいえ、非常にニッチなものですから、頒布希望者はあまり多くなかったのも事実です。手持ちの部品がなくなったので、早々に頒布終了としました。
しかし、その後も、ときどき再頒布希望との声が寄せられます。
LBCK02は可変電源の機能や電圧計も組み込んで便利な道具として仕上げましたが、一方で、大げさ感も否めません。そのため、コスト高にもなっています。部品を集めるのも大変ですし。
そこで、思いっきりシンプルにしてリニューアルしました。それが今回のLBCK03です。電圧は固定(外部から供給されたものをそのまま)で、構造も単純化しています。
可変定電圧電源が必要な場合は、REGM02やREGMPQ20RX01をご検討ください。
特徴
- 電源を接続してLEDを挿すだけの簡単操作
- 抵抗値を直読
- 12個並んだソケットに対応して抵抗値が印字されており、LEDを差し込むとその抵抗値での点灯具合がわかります。
- 12段階での明るさ確認ができます。
- 抵抗値は概ね1/2倍の間隔で並べています(470kΩ → 220kΩ → 100kΩ → 47kΩ → 22kΩ → …)。
- 例えば、12Vの場合で約0.02~100mAに対応します。高めの電圧で使う場合はLEDのIFの最大定格に注意してください。
- 複数のLEDを同時に点灯可能
- 抵抗値による明るさを見比べられます。
- 電流値の目安一覧
- 底板に電圧と抵抗の組合せによる電流値の一覧表を印字しています。
- ただし、LEDのVFが2Vだと仮定した場合の電流値ですので、参考値とお考え下さい。
- 表面実装LEDにも(簡易的に)対応
- 基板サイズは49.5mm角(高さは25mm程度)
使い方は単純で、LEDを挿すだけです。そばに抵抗値を印字していますのですぐに抵抗値を知ることができます(スペースの都合で「k」は一部省略しています)。LEDを挿す端子にはピンソケット使用しております。一般的にLEDの足はピンヘッダよりも細いので、かなり緩く接触しづらいことがあります。指や竹串などの絶縁物で少し押すようにして接触させてください。使い勝手が少々悪いですが、ご了承ください。
また、表面実装LEDへの対応は、上述の通り、簡易的なものです。パッド上に乗せるだけですが、接触させるのは難しいと言わざるを得ないのが実際のところです。竹串などでつついてパッド上に移動させ、上から少し押さえると接触して点灯します。上の写真のように何も押さえなくても点灯することはあまりありません(その状態でようやく撮れた写真がこれです)。
製作編
回路図と部品表
電源ジャック(J1)と抵抗を並べただけの非常にシンプルなものですので、ここにそのまま掲載しておきます(クリックで拡大します)。J2はLEDを挿すためのコネクタ(ピンソケットを流用)、J3~J15は表面実装LED用のテスパッドで基板上に形成しています(取付部品はありません)。
部品番号 | 定数等 | 数量 |
---|---|---|
J1 | DCジャック(内径2.1mm、外径5.5mm) | 1 |
J2 | ピンソケット(2×12) | 1 |
R1 | 470k | 1 |
R2 | 220k | 1 |
R3 | 100k | 1 |
R4 | 47k | 1 |
R5 | 22k | 1 |
R6 | 10k | 1 |
R7 | 4.7k | 1 |
R8 | 2.2k | 1 |
R9 | 1k | 1 |
R10 | 470 | 1 |
R11 | 220 | 1 |
R12 | 100 | 1 |
基板一式 | 1 | |
ワンタッチスペーサ | 4 |
抵抗はカーボン、または、金属被膜です(部品調達の都合)。抵抗値が10%くらい違っても見た目での明るさの違いはほとんどわからないので、精度は要求されません。
組立て
基板のエッジにバリがありますので、ヤスリで削ってください。
あとは、部品をハンダ付けするだけです。抵抗はカラーコードが読みづらいのでテスタで確認することを強くお勧めします。
最後に念のためショートしていないことを確認して、上下の基板をワンタッチスペーサで取り付ければ完成です。なお、ワンタッチスペーサの頭は片側にバリがあるようです。ヤスリで削るか、上にバリが来るようにすると置いたときに安定しやすいと思います。
ご利用者さんの声
当キットを使用した感想を頂戴しました。
JH4VAJさん頒布の新型LED明るさチェッカを組立て、使用してみた。
同類の市販品はあるものの、電流制限の抵抗値を決めるには算出する必要があり、利用が面倒である。
一方このチェッカは、LEDの位置を替えるだけで抵抗値が求まり、簡単に利用できる。チップLEDでも使える。先ずは製作。構成品は少数リード部品のみである。(写真1)
各抵抗は値を記載した紙に予め選り分けておいたので、効率的に半田付けが終わり、底版を止めて短時間で完成した。なお、乗数の異なる類似抵抗が多いので注意が必要だ。具体的な使用方法は、予定電圧の電源をつなぎ、高い抵抗値に該当するソケット(PAD)から順にLEDを差し替え(載せ替え)、希望する明るさになったら終了である。その該当抵抗値が求める値であり、至って簡単に決められた。(写真2)
素性不明品も何ら気にせず確認できる。今までは、ブレッドボード上でLEDとその特性から概算した抵抗をつないだ回路に電源を入れ、LEDの明るさを見て抵抗値を調整し必要値を決めていた。しかし、必要な都度、これら一連の作業をすることを面倒に感じていた。
これを一気に解消してくれる便利なテストボードであり大変有り難い。この頒布に感謝します。de JR1AIH
頒布
本キットは、一旦は頒布を終了したものですが、少々訳アリの基板があるので、特価で放出します。問題の個所はチップLEDを使う場合のバッドで、表面にムラがあります(下の写真。ただし、ムラの具合は個体ごとに異なります)。このため、チップLEDは乗せにくいかもしれません。もっとも、そもそもチップLEDは乗せにくいですし、チップLEDを使わないなら問題ありません。
ご希望の方は、下記注意事項等をご確認の上、下のフォームからお申し込みください。
【注意事項】
- 部品の調達の都合上、上の写真とは異なる場合があります。
- コストダウンのため、ほとんどの部品は海外通販で調達しています。
- 基板に若干の色ムラやハンダ面のムラ等があることがあります。格安基板製造サービスを利用しているため、ある程度は仕方ないようです(ひどい場合は作り直してもらっていますが、ゼロにはならないみたいです)。より高品質な製造サービスならきれいに仕上がるかもしれませんが、コストが大幅に上ってしまいます。ご了承下さい。
- 本機のマニュアルは当ページがすべてです。紙媒体はありません。また、本機は電子工作の経験がある程度ある方を対象としております。抵抗のカラーコードやコンデンサの値の読み方など、基本的なところの説明はしていません。電子工作の基本については、こちらのページに参考になりそうなサイトなどをまとめてあります。
- 資源の有効活用のため、梱包材は再利用することがあります。ご了承ください。
- 仕様や頒布価格は予告なく変更することがあります。
- 本機の組立てや使用による怪我・事故等には責任を負いません。
【価格】
- 頒布価格:
850円訳アリのため 500円 - 送料: 230円
- 支払い方法: 銀行振込
【申込みフォーム】
こちらにご入力いただいたメールアドレス宛に、追って、振込先等をお知らせします。入力ミスのないようお願いします。また、ここにご住所等は書かないようにお願いします。
このフォームでお申し込みいただいた時点では、注文が確定されるわけではありません。タイミングによっては、在庫が切れている場合もあります。自動注文システムではなく手動での対応ですので、何卒、ご了承下さい。