「TTCW03 – モールス練習機」をリニューアルした。
リニューアルのきっかけは「チップ部品があるから…」と尻込みしている声を何度か聞いたから。見た目で難しそうと思うのはわかるけど、やってみるとさほど難しくはない(と思う)。もちろん、チップ部品のサイズにもよるが。
ともかく、「練習機」という位置づけなのにチップ部品のせいで躊躇されるのは問題。そこで、チップ部品は一切使わずにリード部品だけ構成したものを検討することとした。しかし、そうすると基板上に部品が乗り切らない(だから、チップ部品を使ったわけで)。そこで、外部出力機能は削って、基本機能だけに限定。こうすれは、結構余裕が生まれる。
しかし、機能を削っただけは、それも面白くない。ならばと、逆にチップ部品を多用したモデルも検討。これなら機能を削らずに、かつ、スペースも生まれる。
そこで、空いたスペースを活用し、他に気になっている点にも対処。
- 電源電圧の変化(5←→13.8V)による発振周波数(音程)への影響
- ボリュームの位置による発振周波数への影響
- フューズ(ポリスイッチ)の追加
- 電源逆接続保護
- 電鍵の接点保護
- 外部端子にフェライトビーズを追加(回込み対策)
回路の見直しに際して、アンプICを変更した。理由は二つあって、一つはNJM386BDがディスコンなこと(ディスコンとはいえ、流通在庫はまだ結構ありそう)。386自体はまだまだあるのだけど、電源電圧の上限が12V。13.8Vでも使えるようにしたいと思うと、18Vまで対応のNJM386BDということになる(チップ版はNJM386BM←これは秋月にはない)。18Vまで使える386にはLM386N-4もあるが、チップ品はなさそう。そういうわけで、DIP版・SOP版(チップ品)の両方が手に入るNJM2113に変更することにした。外付け部品も少なくなるのも助かる。
しかし、NJM2113を実際に使ってみたところ、発熱が大きく難儀した。
それから、スピーカも大型化した。
あれこれ見直した結果できあがったものがこれ。左がチップ部品を使わないTTCW04、右がチップ部品を多用したTTCW05。
TTCW05の方が部品数はだいぶ多いのだけど、基板の製作時間はどちらもだいたい同じくらいだった。チップ部品は基板を裏返したり足を曲げたり切ったりという手間がない分、作業効率がいい。とはいえ、慣れが必要だけど。
ちなみに、TTCW05でチップ部品だけ実装した状態がこれ。部品数は41個。
今回は、この「二刀流」で組み立てた。部品の片寄りや浮きができにくくて良い。
発振波形の様子。
オシロスコープはDSO Shell。低周波のちょっとした確認には、これが手軽でよい。
こちら、歴代のモデルの外観。
TTCW04/05ではスピーカは中央に配置しているのだけど、手前に文字があるためにそちら側に寄っている(後ろに余裕がある)ように見える気がする。
音のサンプルはこちら。
頒布についてはこちらのページで。
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