設計のおさらい
AT50用のBias=Tの設計、インピーダンスの条件を色々いじって考えてみたところまでが前回の話。
これを受けて、実際に使うLとCを測定する。目標と言うか、目安は、Lが100μH、Cが22nFくらい。
以前の測定と同様、NanoVNA-H4を使って実測する。
L
16回巻き
T50-43に16回巻き。計算上は113μH程度。
1~2MHz付近で120μH程度。周波数が上がるにつれて指数関数的に下がっていく。
15回巻き
T50-43に15回巻き。計算上は99μH程度。
1~2MHz付近は計算値に近い100μH程度。シミュレーションの結果から、500kHzカットオフでインピーダンスは500Ω程度だと112μH程欲しいので16回巻きがよさそう。
C
10nF
測定治具の配線のL分の影響で自己共振を起こしてしまっているが、自己共振を起こす前の低い周波数での値を見ると12nF程度。公称値よりも20%も多い。安物だからなぁ。10個あるので10個とも測定してみたが、バラツキはあれど、どれも同じ傾向。
22nF
こちらは約17nF。5nF、率にして20%以上も小さい。こちらも複数測ってみたが、いずれも公称値よりも小さい。インピーダンスが10Ωを想定すると22nFくらいは欲しいところ。
仮組み測定
せっかくなので、仮組みして測定してみる。この段階では、Bias-Tではなくて、単なるHPF。
Cは22nFのつもりだったけど、手持ち品は測定の結果では公称値よりもずいぶんと小さいことがわかった。10nF公称値のものを2パラにするか?と思ったけど、大きめの方が無難だろうから10nFと22nFをパラにしてみよう。実測に基づくと、12+17=29(nF)ということになる。Lは16回巻きで。
30MHzで通過損は0.1dBほどで、VSWRは1.12。50MHzでは、それぞれ0.2dB、1.21。これくらいならいいかな。もっとも、あんな状態なので、ちょっと動かすと測定値は結構変化する。ちゃんと組んで再測定の必要がありそう。本当は、入出力インピーダンスを上げたり下げたりした状態でも測定したいところ。
念のため、コネクタで直結した場合の特性も測っておいた。
VSWRにコネクタの特性が如実に表れている。
続き。
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