前回の7回巻きで完成したつもりになっていたFT114-43を使った1:9 UNUN。
コメントで「6回巻きも見たい」と。実のところ自分自身でも気にはなっていたのだけど、面倒なので「完成」ということにして封印していたが、そうリクエストされたらやってみない訳にはいかない^^
ちょっと長くなるので、結論から書くと、7回巻きよりも6回巻きの方が成績が良かった。面倒だと思っていたけど、やったかいがあった。きっかけを下さったjh8jnfさん、ありがとうございます。
調子に乗って、5回巻き、4回巻きとやってみたところ、5回巻きでは高い方が若干改善されたが、低い方が案の定悪化。4回巻きでは低い方は予想通りさらに悪化し、高い方は改善されるかと思ったらそうでもなかった。
ということで、FT114-43での1:9 UNUNは6回のベタ巻き(三線平行巻き)がベストと結論付ける。
また、やはりケースに入れると特性が悪化する。それでも、1.8~29MHzは実用域だとは思うが。50MHzではどうするのがいいのだろう?#61材ならいけるのかな?耐電力は小さくなるが、小型コアを使うと線路長を短くできるので良さそう。
さらについでに、元々のバランキットに付属のNXO-100でも、6回巻き、5回巻きを試してみた。トリファイラ10回巻きで3.7MHzあたりで良い特性を示し、ベタ6回巻きで14~29MHzで良いということから、6~12回巻きで目的の周波数に合せて巻くという使い方が良さそう。
しかし、このアナライザ(SARK100)がアホなのか、インピーダンス37+j0がSWR 1.09と表示されている。50 / 37 = 1.35のはずだけど。計算はこれでいいと思うが…。SWR表示がおかしいのか?複素インピーダンス表示がおかしいのか?それとも、両方おかしいのか…。
以下、測定結果。
6回巻き。
5回巻き。
4回巻き。インダクタンス(の写真撮影)は忘れたようだ。
6回巻き再び。先程のは、5回、4回の測定のためにほどいたので。
NXO-100 6回巻き。
NXO-100 5回巻き。
周波数 | (再掲)FT114-43 ベタ巻き 7回 新規巻直し | FT114-43 ベタ巻き 6回 | FT114-43 ベタ巻き 5回 | FT114-43 ベタ巻き 4回 |
||||
MHz | SWR | IMP | SWR | IMP | SWR | IMP | SWR | IMP |
1.8 | 1.01 | 48+j0 | 1.07 | 46+j0 | 1.16 | 44+j0 | 1.37 | 39-j12 |
3.7 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.03 | 46+j0 | 1.15 | 43+j0 |
7.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.08 | 46+j0 |
10.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.07 | 46+j0 |
14.1 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.08 | 47+j0 |
18.1 | 1.00 | 45+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.09 | 48+j0 |
21.0 | 1.00 | 44+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.10 | 49+j0 |
24.9 | 1.00 | 43+j0 | 1.00 | 46+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.12 | 50+j0 |
29.0 | 1.06 | 42+j0 | 1.02 | 46+j0 | 1.03 | 47+j0 | 1.15 | 51+j0 |
51.0 | 1.92 | 41+j30 | 1.48 | 49+j20 | 1.36 | 50+j17 | 1.43 | 66-j16 |
周波数 | (再掲)FT114-43 ベタ巻き 6回 | FT114-43 ベタ巻き 6回 巻直し | FT114-43 ベタ巻き 6回 ケースへ実装 |
|||
MHz | SWR | IMP | SWR | IMP | SWR | IMP |
1.8 | 1.07 | 46+j0 | 1.07 | 46+j0 | 1.02 | 46+j0 |
3.7 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 47+j0 |
7.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 47+j0 |
10.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 46+j0 |
14.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 49+j0 | 1.00 | 43+j0 |
18.1 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 41+j0 |
21.0 | 1.00 | 47+j0 | 1.01 | 48+j0 | 1.01 | 40+j0 |
24.9 | 1.00 | 46+j0 | 1.04 | 48+j0 | 1.05 | 39+j0 |
29.0 | 1.02 | 46+j0 | 1.09 | 46+j0 | 1.09 | 37+j0 |
51.0 | 1.48 | 49+j20 | 1.62 | 55+j26 | 1.42 | 52+j17 |
周波数 | (再掲)FT114-43 ベタ巻き 7回 新規巻直し | (再掲)FT114-43 ベタ巻き 7回 ケースへ実装 | FT114-43 ベタ巻き 6回 巻直し | FT114-43 ベタ巻き 6回 ケースへ実装 |
||||
MHz | SWR | IMP | SWR | IMP | SWR | IMP | SWR | IMP |
1.8 | 1.01 | 48+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.07 | 46+j0 | 1.02 | 46+j0 |
3.7 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 47+j0 |
7.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 46+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 47+j0 |
10.1 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 45+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 46+j0 |
14.1 | 1.00 | 47+j0 | 1.00 | 42+j0 | 1.00 | 49+j0 | 1.00 | 43+j0 |
18.1 | 1.00 | 45+j0 | 1.01 | 40+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.00 | 41+j0 |
21.0 | 1.00 | 44+j0 | 1.05 | 38+j0 | 1.01 | 48+j0 | 1.01 | 40+j0 |
24.9 | 1.00 | 43+j0 | 1.10 | 37+j0 | 1.04 | 48+j0 | 1.05 | 39+j0 |
29.0 | 1.06 | 42+j0 | 1.18 | 38+j0 | 1.09 | 46+j0 | 1.09 | 37+j0 |
51.0 | 1.92 | 41+j30 | 2.16 | 151+j0 | 1.62 | 55+j26 | 1.42 | 52+j17 |
周波数 | NXO-100 トリファイラ 10回巻き | NXO-100 ベタ巻き 6回巻き | NXO-100 ベタ巻き 5回巻き |
|||
MHz | SWR | IMP | SWR | IMP | SWR | IMP |
1.8 | 1.44 | 42-j16 | 3.72 | 15+j20 | 5.39 | 10+j16 |
3.7 | 1.00 | 50+j0 | 1.98 | 34-j24 | 2.63 | 25+j25 |
7.1 | 1.23 | 40+j0 | 1.38 | 49-j17 | 1.67 | 44-j25 |
10.1 | 1.55 | 31+j0 | 1.21 | 53+j0 | 1.42 | 52+j17 |
14.1 | 2.00 | 23+j0 | 1.10 | 53+j0 | 1.27 | 55-j14 |
18.1 | 2.50 | 18+j0 | 1.03 | 52+j0 | 1.18 | 56+j0 |
21.0 | 2.86 | 16+j0 | 1.00 | 50+j0 | 1.14 | 54+j0 |
24.9 | 3.44 | 14+j0 | 1.00 | 48+j0 | 1.10 | 53+j0 |
29.0 | 4.29 | 12+j14 | 1.00 | 46+j0 | 1.09 | 51+j0 |
51.0 | >10 | 188-j238 | 1.41 | 41+j12 | 1.49 | 52+j20 |
コメント
おお、お疲れ様でした。これで6回で改善されてなければ申し訳なくて…
ケースに入れて悪化するのは、多分コアから両側のターミナルへの配線、そこから外側でダミー用の抵抗に行っている線の長さか、あるいは間隔が変わることでインピーダンスの乱れが出ているせいではないかと想像します。
実際に使う場合はコアからターミナルの間の長さもエレメントに込みになるのでさほど問題無さそうにも思いますが…
良い実験データを見せていただきました。
ケース内部の配線に関しては、裸で測定していたものよりも切り詰めています。ですので、ダミーロードへの配線が長くなるのが大きいのだろうと想像しています。しかし、実際にアンテナを取り付けてと考えると、確かにそこはエレメントですから、実害はなさそうですね。
さて、そろそろアンテナを上げなくては^^;
JH4VAJ様、
ロングワイヤーの調整や評価の記事、および、1:9UNUNの記事を
参考にさせていただいています。
何度も行ったり来たりして読み返しております。
私も新たにロングワイヤーを自宅に張って調整などを始めておりますが
うまくいきません。
貴局の記事が非常に参考になるので役立っております。感謝です。
まだまだ前途多難ですが楽しみながら調整してみます。
うまくいったら当局のブログにも投稿しつつ、貴局のブログを参考に
したことも書きたいと思います。(もし不都合なければ…)
今後ともよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
基本的には、私のメモですが、役に立つなら嬉しいです。
今は、1:9 UNUNはやめて、ATU(CG-3000)を使っています。が、劇的に飛びが良くなったということはありません。期待していたのですが、残念です。ですが、SWRが落ちるのは精神的に楽です。
リグ内蔵のATUの使用を前提にすれば、1:9 UNUNも悪くないと思います。また、長さを調整して、特に重視したいバンドでSWRを下げておくというのもいいかもしれません。
過去記事へのコメント申し訳ありません。
初心者です。当方フェライトコアでなくトロイダルコアに巻いてununを作っています。
ただ測定器が簡易的なアンテナアナライザーしかなく、どんな結果か不明なままです。
一般的にフェライトコアを使用するようですが、昔購入したキットにはトロイダルコアが入っていて、そちらで組み立てました。なので同じように複製で作ったのですが、トロイダルコアに巻いて作る1:9ununは誤りでしょうか?
フェライトは材質、トロイダルは形状です。ですので、この二つは比較できません。
BALUNやUNUNとして使う場合はそれなりに大きなインダクタンスが必要なのでフェライトをコアにすることになると思います。
(フェライトを含め)トロイダルコアに関しては、「定本トロイダル・コア活用百科」がバイブルです。
こちらの記事もご覧いただければと。
https://www.jh4vaj.com/archives/822
ありがとうございます。