430MHz用LPFの実験の続き。
前回は、Lをいじってなんとかしようとしたけど、上手く行かなかった。
ならば、逆に、Lを基準にカットオフ周波数の方をそれに合わせてみたらどうか?Cは細かい値がそれなりにあるけど、Lはバリエーションを手に入れにくい。そこで、手に入るLを元にそれに合わせたカットオフ周波数にしてみればいいのではないか?カットオフ周波数が少々上がったとしても、落としたいのは第二高調波(以上)なので、そこでそれなりの減衰量が得られればいい。
まず、元の計算値がこれ。
計算はこちらのサイトで⇒ チェビシェフ Chebyshev LPF の 設計ツール
手に入ったLのインダクタンスは概ね20nH。
カットオフ周波数を調整して20nHくらいになるところを探してみる。
535MHzなら20nH位で良さそう。Cもこのくらいの値なら入手可能。
早速実験。
6.8pF – 12pF – 6.8pF。Lは20nHなので、計算値とほぼ一致しているはず。
あれ?通過帯域での減衰がデカイ…。450MHzで2.53dB。全然ダメじゃん。
Cを変えてみる。真ん中を大きくして、6.8pF – 15pF – 6.8pFで。
通過帯域での減衰はだいぶマシになった(450MHzで0.77dB)けど、まだ大きい。一番最初に試したもののほうが良い。
ということで、その値にしてみる。8.2pF – 15pF – 8.2pF。
450MHzでのロスは0.37dB。結局はこれが一番いいのか。Lが20nHだとしても、配線(基板パターン)で数nH程度あるんだろうなぁ。
VSWR高い(430MHz帯で1.3弱)のが気になる。そもそもそれがこの調整の始まりだったのだわけだけど。計算値をよくよく見ればパスバンドリターンロスが16.3dBなので、これからVSWRを計算すれば1.36。実測で1.3弱ならその範囲には収まっているとも言える。周波数の低い方ではVSWRはもっと高いところもある。2を超えているところもあり計算の範囲に収まっていないが、これは「計算どおりは行かない」ってことか?
それはそれとして、元の定数に戻してだいたい同じ結果になったということは、再現性は悪くなさそうだってことがわかった。その点は良い結果。
もうちょっと頑張ってVSWRを改善するにはパスバンドのリプルを厳しくすればいいはず。試しに0.05dBにして計算してみる。
これなら、パスバンドリターンロスが19.4dBなので、VSWRは1.24に収まるはず。Cの値は、E12系列に合せれば、6.8pF – 12pF – 6.8pF。ということは、このページの実験の一番上のものそのもの。すでに実験している。そして、あの結果…。
やはり、一連の実験の最初のものが一番良さそう。
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