F2A用のセミブレークインアダプタを試作した。
特徴
- 送信音の遅延(受信側でトーンの頭切れを起こさないように)
- PTTの制御(セミブレークイン)
- 受信音とサイドトーンのミックス(ヘッドフォンでの利用を想定して)
大雑把にはこんな感じ。もちろん、サイドトーンは遅延していない(遅延した音を聞かされたらキーイングは無理)。
構成
- トーン発振部はTTCW02と同じTwin-T型
- 送信音の遅延にはディレイICを使用
- PTT制御はワンショットモノマルチバイブレータ
ワンチップマイコンを使えばディレイもPTT制御もできるのだろうけれど、ここではアナログ的手法で本当に音を遅らせる。ディレイICはJO4EFCさんのテルミンを作ったときに知ったもの。カラオケマシンのエコーに使われたりするものらしい。ギターのエフェクタの自作にもよく使われるようだ。
こちらが、実際に動作の様子。
最初は元となったTTCW02単体での動作。続いて、TTCW02と今回の試作機をつないで遅延音のチェック(通常のサイドトーンでは遅延なしだけれど、動作確認のために遅延音を聞けるようにもしてある)。その後で実際に無線機と接続しての動作。右のVX-3が送信、左のUV-5Rが受信。F2Aの免許はすでに受けている。
ここまでだと上手く行っているようなのだけれど、それに続いて衝撃の映像(笑)。
無線機に手を近づけたり無線機を本機に近づけたりすると、電波が回り込むのか発振音がおかしくなる。発振周波数(音程)が変ったり、止まったり。ワンショットモノマルチもおかしくなるようでPTTがOFFになったりする。試作機で子基板への配線があったりするのも原因の一つだろうけど、やはり、根本的にダメっぽい気がする。残念。
もう一つ、備忘録的な話。ディレイ時間をある程度よりも長くすると、元の音(遅延していない音)が若干漏れ出てくる。これがICの特性なのか、回路構成によるものなのかは不明。カラオケマシンなどに使うには問題にならないだろうが。
【追記】
本試作機とVX-3(送信機)の接続ケーブルにフェライトコアを付けてみたら、誤動作は若干軽減されるような気がする。あくまで「気がする」程度。フェライトコアはVX-3側の方が効果があるような気がしないでもない。
本試作機とVX-3の接続ケーブルを抜き、VX-3のPTTを押した状態で本機に近づけてみた。これでも、発振音の変化等の誤動作は見られた。接続ケーブル経由ではなく、電波が直接飛び込んでいるようなので、ケーブルにフェライトコアでなんとかできるものではないようだ。
試しにTTCW02に(送信中の)VX-3を近づけてみたら、極わずかに発振音の変化があった。とはいえ、上のビデオのようなひどいことにはならない。
【余談】
UV-5Rの迷彩色は、eBayで買ったバカ安ソフトケース。
その後
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