FT8の強力な局の受信により、受信側(つまり、相手ではなく自分)が倍音を発生させていると思われる事例。
【こちらの設備】
- TS-690
- 1st IF(8.83MHz)と2nd IF(455kHz)の両方のフィルタを実装
では、受信信号。
2,000Hz位に強力な局。下から三つほどは普通に受信している状態。二倍の4,000Hz付近に倍音が観測されている。このときのフィルタ帯域は、1st, 2nd共に、6kHz。
上から二番目は、受信開始の数秒後に2nd(455kHz)のフィルタを2.4kHzに変更した状態。4,000Hz付近に見られる倍音がより強くなっている。
一番上は、一旦、2ndのフィルタを6kHzに戻した状態からは始めて、数秒後に1stのフィルタを2.4kHzに変更したもの。こちらは、特段の変化は見られない。なお、このときは、1,000Hz付近(および、三倍音の3,000Hz付近)に信号が見られるが、これは別の局によるもの。もしかしたら、その局の信号による倍音が2,000Hzや4,000Hzに被っているかもしれないが、この画面では判断できない。
455kHzのフィルタ帯域を操作した結果、倍音の強度に変化が見られたので、受信側で発生させていると考えられるのではなかろうか?
続いて、QRGを1kHz上げてみた(21.074 → 21.075 MHz)。受信対象の信号は上と同じ。フィルタ帯域は、初期状態(1st, 2nd共に6kHz)。
上から二つ半のところで受信周波数を動かした。当然、受信信号は1,000Hzに下がる。もし、送信側で倍音を発生させているのであれば、元信号と倍音の位置関係は変らず2,000ほど上(つまり、3,000Hz付近)に観測されるはず。しかし、倍音は2,000Hz付近で観測されるようになった。このことからも、受信側で二倍の倍音が発生してしまっていると考えられる。
何とかできないのかなぁ?
それにしてもTS-690、AF Gainを絞り切っていても、強力な局を受信すると音が漏れ聞こえるんだよなぁ…。結構耳障り。これも何とかできないものか?
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